
結婚する前に、一度は性行為を経験しておきたい。
そう考える人はいると思う。将来の相手に「何も知らない」と思われたくない。緊張して、気まずい時間にしたくない。先に経験しておけば、少し落ち着ける気がする。
その気持ちを、俺は否定しない。
身体の感覚を知りたいのかもしれない。単純に経験してみたいのかもしれない。将来の相手をがっかりさせたくないのかもしれない。
理由をきれいに一つへまとめなくていい。
ただ、一度経験すれば、その先は何でも分かるようになるかというと、そういうものでもないだろう。
経験した相手と、将来一緒になる相手は別の人だ。好きなことも、嫌なことも、二人の距離の取り方も違う。経験があるから相手の気持ちが分かる、とは言い切れない。
結婚前に経験しておくことと、結婚する相手を大切にできることは、別の話だ。
もちろん、だから経験する意味がないと言いたいわけじゃない。君自身が知ってみたいなら、それは君の希望だ。人から与えられた「結婚前の宿題」みたいに扱わなくていい。
風俗を考えることもあるだろう。身体的な経験をしてみたいなら、一つの選択肢ではある。ただ、それで将来の相手との不安が全部なくなる、と俺の立場から約束するのは違うと思う。
すでに恋人や婚約者がいるなら、その人との約束もある。誰もいないなら、まだ会っていない誰かのために、今の自分を急かしすぎなくていい。
どちらにしても、自分が何を求めているのかは、ごまかさないでほしい。
もし将来、好きな人と向き合うときに緊張したら、「緊張している」と言っていい。経験があってもなくても、その人との時間は初めてだ。
何を知っているかより、「どうしたい?」と聞けるか。「それは嫌だ」と言われたら止まれるか。自分の気持ちも、格好をつけずに話せるか。
一緒に生きる相手との関係なら、なおさら一回の経験だけでは作れない。
結婚前に経験するかどうかは、君が決めていい。経験したい気持ちも大切にしていい。
ただ、将来の相手に持っていくものを、経験の有無だけにしないでほしい。
その人と何を話せるか。困ったとき、どう向き合うか。
結婚したあとにも続くのは、そっちの方だと思う。
ショコラ代表・小林
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